阿蘇高岳北壁 松ガ尾谷  冬期遡行
幻の氷爆登攀
2011年1月


2010年の年末から約20日間、寒さ緩むことなく寒むい日々が続いてる。
地球温暖化時代、今年の冬は近年まれにみる寒い冬であるとニュースは伝えてた。

今から2年前、2009年冬、阿蘇の松ガ尾谷にとりついた。が・・・・・・結果は氷結不足のシャワークライムとなり、
途中撤退!びしょびしょの散々な目にあう・・・・。温暖化の昨今、水量多い松ガ尾谷の滝はもう凍ることはないだろう。
吉川満氏の本では氷爆登攀・・・と書いてある。今では凍る事は無い幻の氷爆になってしまったのでは・・・・・。

あれから2年、幻の氷爆に会える事を期待しつつ、ISO先生と入渓します。


(滝の名称は2006年1月の長友敬一さんのレポート中の名称に合わせてます。)

仙酔峡道路を登り、日の尾峠方面への九州自然歩道入り口から出発。

nann何度もアップダウンがある九州自然歩道を進む。
標識『G』のベンチの分岐についたら、阿蘇山方向の牧道に南行する。




牧道終点から東側の急斜面を降りる。(有刺鉄線柵に気を付けてね)
降りるとそこが松ガ尾谷。いくつもある堰堤。作業道を奥までつめて、入渓。
それでも、4つは堰堤を越えなければならない。

松ガ尾谷 入渓後すぐは、枯れ沢。

4mの滝  横に氷柱。



4mの滝を越える。

しばらくは、明るいゴーロ沢を遡行する。
松ガ尾関門 
 側壁100mの圧倒的威圧感あるゴルジュ。落石あれば逃げ場は無い。
九州の岳人はこの様相に会うために、この谷に何度も入った事だろう。
S字状に進む。入渓後、ここまで約1時間30分が経過している。


チムニー滝10m
前回はこの滝が凍ってなく、ここで撤退した。今回は薄いがなんとか登れそうだ。
凍ったカマの上でロープを出し準備。スクリューでランニングは取れるが、落ち口はベルグラ。最後まで気を抜けない。


5mの滝
氷が薄く、岩に引っ掛けながら登る。
『阿蘇の岩場』では滝3と記載してある。  



『阿蘇の岩場(折元秀穂著)』より転写


チョックストーン20mの滝
『阿蘇の岩場』や『九州の沢と源流』では、右の壁を巻くと書いてあるが
折角だから、まっすぐ登ろう!チョックストーン下まではフリーで登る。

『阿蘇の岩場(折元秀穂著)』より転写
滝4と記載してある。

チョックストーン真下からはロープを出し、大岩右側の氷を登る。

廻り込み口がビミョーなので、スクリューでランニング取りながら登る。

ナイアガラのような幅広い滝は好きなところを登る。


標高も1100m過ぎた。まだ、少し水流はあり、遡行も気が抜けない。


10mの大滝
まだ巾が狭く未発達だが、なんとか二人くらいなら登れそう。
赤谷の大滝に比べて、比較にならないほど、立ってる。
短いがしっかり立ってるので、ランニングを取って登る。
堰堤ある入渓点から400mの高度差、4時間経過。


チョックストーン5mの滝
実際は8mくらいは、あるかな・・・・。
下部の氷はよく発達してるが、岩の右にかわす際の氷は薄く、きわどい。
チョックストーン下でランニングとって、突破!



入渓点から約450mの高度差登れば、二股分岐に着く。
ここは、右のルンゼに進む。
(ここからは、長友さん生田さんの詰めたルートと違うようです。)

急傾斜のラッセルにも、休まず進む。
壁にぶち当たる。弱点を探す。
ここからが、核心!
ルートファインディングが必要となる。もちろん、阿蘇の地理感覚も必要だ。
失敗すると、すぐに追い詰められそうな岩壁群だ。

壁の左側に進み、弱点箇所を登る。けっこう、厳しい。
岩稜に登ると、古い腐れたハーケンがある。
先人も同じ弱点、登ったんだな〜、と感じる。

急なブッシュを進み、岩壁に追い詰められる前に、小ルンゼをトラバースし、再度ブッシュの中へ。
トラバース気味に登りブッシュの終わる頃、第1キレット・ジャンダルムが見えてくる。   ルンゼに降り立つ。

これくらい、積もらないと登れ無いであろうルンゼをラッセルで登る。
まだ、雪が締まってないので、深みにはまることも。(贅沢を言えば、雪が締まってたらなぁ・・・)

傾斜がきついルンゼ。滑落に気を付けて進む。
右にドッグレッグしたルンゼを詰める。


崖の部分の吹き溜まりで、埋もれる・・・(笑)

赤壁前のコルが見えたぞ!!!
やった!松ガ尾谷、抜けたぞ!!! ふっ・・・!


赤壁前のコルからは、西側にガリー3を下降し、ノーマルルートで下山。
関門で今日始めての休憩。行動食をほおばる。

午後から風雪が強くなった。 仙酔尾根合流点。 仙酔峡駐車場 到着!! 明るいうちにもどったぞ!


スタートから休憩無しのぶっ通しで9時間で下山完了!
ISOさんも僕も、決して遅く無いし、手際は早いほうだと思いますが、時間がかかりました。
過去のレポート見ると、ビバーグや撤退、夜中に下山などしか無く、その意味がわかりました。
時間をかけずに登る。時間との戦いも必要です。

谷から稜線に上がるまでは、ややこしく、いろいろ、させられました。
おいやられて、迷子になったら、ビバーグですね・・・・こわっ!

松ガ尾谷はまさしく九州の冬山バリエーション。手ごわい谷でした。


熊本の山岳部の報告資料(昭和12年発行)より転写 松ガ尾谷概念図
赤文字は今回行ったと思われるコースをあてはめて書いた。

松ガ尾谷奥部は佐渡ヶ窪というらしい。たしかに、開けてた。
最後はガリーYを詰めたみたい。
 
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